“宝もの”再び ~菓房亜萬桃~

“宝もの”再び ~菓房亜萬桃~

column 1

村岡昌一

January 16, 2017

佐賀市には幾つもの洋菓子店があるけれど、私は大和町の「菓房亜萬桃」に足が向かう。「亜萬桃」はアマンドと読む。
理由は、とても美味しいということに加え、幼い頃の思い出のケーキがあるから。

「菓房 亜萬桃」店舗の外観

キャンディーズの歌が街に流れていた昭和50年代、佐賀城址に近い水ヶ江の商店街に洋菓子店「プランタン」があった。
ショーケースには、艶めき輝く色とりどりのケーキが並んでいて、店を訪れる子どもたちは皆、心をときめかせていた。 その後「プランタン」は、平成の初め頃に閉店。思い出のケーキも消えてしまった。
ところがある日、「“あの頃のケーキ”を買うことができる」という話を聞く。「プランタン」でケーキを作っていた人が大和町で店を開いているというのだ。それを聞き、私は失った宝物を再び取り戻したような高揚感を覚えた。以来、亜萬桃に出かけるようになった。

店主 合瀬秀樹さん

亜萬桃の洋菓子は、敬意を込めて「洋菓子職人」と呼びたくなるような店主、合瀬秀樹さんが作っている。
合瀬さんは「とにかく、材料はきちんとしたものを使う。普通のことを普通にしているだけ。」と、また、「新しいことはできんからね。だから昔のままのケーキ。」と語ってくれた。
私のように、“あの頃のケーキ”を求めて訪れる人もいるとのことだった。

あの頃と同じモンブラン。二つ買ってしまいたくなる値段も嬉しい

お店で一番の人気はモンブラン。私が子どもの頃と同じ外観で、持ったときの「ずっしり感」がうれしい。口にすると、クリームとスポンジの豊かで和やかな美味しさが、拡がり溶けていく。 私にとっても亜萬桃のモンブランは、ずーっとナンバーワンだ。

モンブランを食べる女性。このケーキを口にすると自然と笑顔になる

合瀬さんが、一つずつ丁寧に、丹念に作る亜萬桃のケーキは、派手さはないけれど、上質で穏やかな日常に溢れている佐賀でのくらしとも重なる。

DATA
菓房 亜萬桃
住所 佐賀県佐賀市大和町尼寺2669-1
電話 0952-62-4077
営業時間 9:30~20:00
定休日 火曜日

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