「夜のあんこ」という過ごし方と現象

「夜のあんこ」という過ごし方と現象

column 08

村岡昌一

February 16, 2017

佐賀大学の東に位置する佐賀市赤松町。行き交う若者たちの姿が消え、夜の静けさが漂い出す夜の9時頃、「夜のあんこ屋 よなよな」に明かりが灯る。

店主の岡垣貴憲さん

ここは、ぜんざいなどあんこを使った甘いものを提供するお店。店主の岡垣貴憲さんの本業はデザイナーで、あんこ好きが高じて、平成28年6月にこのお店を始めた。岡垣さんが「あんこ好き」を強く意識したのは、残業中に「できないよ。」と周りから言われながらも、竿の羊羹を一本ペロリと食べたときとのこと。 「あんこ好きなんだなぁ。」 このときの気づきと佐賀の羊羹が、この店のオープンにつながっている。 開店時間は不定で、お客さんはフェイスブックで告げられる開店時間を確認して来店する。

よなよなのあんこを使用した色々なメニュー。どのメニューもなんだかあんこへの愛を感じる

岡垣さんが丹念に仕込む「よなよな」のあんこ。甘さ控えめのあんこと白玉や栗といった定番の組み合わせはもちろん、あんことヨーグルトのパフェ、じゃがバターとあんこ、あんこを使ったカクテルなど、あんこの美味しさを再発見するような楽しさもこの店の魅力だ。また、ぜんざいに入っている「ふんわりとして、ぷるん、つるん」といった、生まれたてのような白玉の食感もすばらしい。

夜遅くでも賑わう店内

岡垣さんは、「あんこは汎用性の高い食べ物。いろんな可能性がある。」と目を輝かせながら言う。 岡垣さんとここのあんこに魅せられ、あんこ好きが集まりだし、岡垣さんが創意工夫を重ねる。そして、さらにあんこ好きが集まる。まるで、森の奥の小さな流れが、幾筋もの水を集めながら、次第に大きな流れになっていくのを見るかのようだ。

赤い暖簾が印象的に誘うお店の外観

「よなよな」は、美味しいあんこのお店というだけではなく、岡垣さんとあんこ好きによる「あんこと夜を楽しむ」クラブ活動の場所でもあるように思える。 もうすぐ零時になろうとする時間になっても、客足は絶えない。あんこ好きのおなかと心を満たし、満たされながら、今夜も佐賀のあんこの夜が更けていく。

DATA
夜のあんこ屋 よなよな
住所 佐賀県佐賀市赤松町6-11
営業時間 夜
定休日 なし(不定休)
※ 開店時間や休日等は、 https://www.facebook.com/anko4747/ で確認

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