「自分が肉屋をやるなんて、これっぽっちも思っていなかったよ」

「自分が肉屋をやるなんて、これっぽっちも思っていなかったよ」

column 01

January 12, 2016

良い店というのは自然と知られ、その名は広がっていくものだ。

 

「肉の三栄」は、今や県内外にファンを抱える肉屋である。創業したのは1978年。代表をつとめる吉谷勝信さんは一代でこの店の土台を築き上げた。 「自分が肉屋をやるなんて、これっぽっちも思っていなかったよ」ガハハと豪快に笑う吉谷さんは、元々、船舶や鉄道車両などを取り扱う総合エンジニアリングメーカーに勤めていた。ひょんなきっかけから肉屋を始めることになったが、もちろん師はいない。当然ながら、それまでロクに包丁も握ったことがなかった。

めちゃくちゃおいしそうな肉を手にしながら、アツく語る吉谷さん。

めちゃくちゃおいしそうな肉を手にしながら、アツく語る吉谷さん。

「何が難しかったか」という問いに、開口一番、「目利きだね」という答えが返ってくる。
肉をさばき、カットする技術の向上は分かりやすく、およそ2年の歳月を経て納得のいく水準に達したそうだが、“肉の審美眼”はなかなか養えず、さらに数年を要したと吉谷さんは振り返った。
その成果はショーケースに並ぶ肉を見れば、一目で分かる。

おいしそうな肉がならぶショーケース。

おいしそうな肉がならぶショーケース。

店の外に堂々と掲げられた文字が示す通り、吉谷さんが自信を持って取り扱うのは全国にもその品質の高さを知られるブランド牛「佐賀牛」。
佐賀牛とは、JAグループ佐賀管内肥育農家で飼育された黒毛和種の中で、(社)日本食肉格付協会の定める牛取引規格における最高肉質の5等級、4等級の中でも最上級のBMS「No.7」以上の牛だけがその名で呼ばれている。

かっこいいギフト箱もあり。

かっこいいギフト箱もあり。

「佐賀牛の中でもいろいろとあるんです。一つひとつ肉質が違い、味が濃いものもあればやや淡いものもある。当然やわらかさも異なるんです」
まだまだ話したいことは山ほどあるという勢いで吉谷さんは佐賀牛愛を伝えてくれたが、これから配達があると言って颯爽と出掛けていってしまった。
つまりこの三栄では、佐賀牛の中でも特に上質なものを吉谷さんが選び抜き、さらに肉に個性に合わせて包丁を入れ、熟成させることで、元々佐賀牛が備えた魅力を最大限に引き出しているのだという。
そんな話をしている間にも、佐賀牛は飛ぶように売れていく。お客さんはいずれも、一度にかなりの量を買い込んでいた。遠方からでもわざわざ来る価値がある肉屋なのだ。

すぐ売り切れてしまうハンバーグのおいしい焼き方説明書。

すぐ売り切れてしまうハンバーグのおいしい焼き方説明書。

佐賀牛はロースやカルビ、ホルモンといった生肉だけでなく、ハンバーグのような加工品もある。また、豚肉は佐賀産豚、鶏肉には朝引きのブランド鶏「ありたどり」がラインナップ。佐賀の美味い肉が、ここに集まる。

 

(edit.山田祐一郎 / 2015.11.27)

肉の三栄
住所 佐賀県杵島郡江北町大字上小田上区2336−3
電話 0952-86-3956

http://www.oniku-sanei.jp/

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