ヤギがやってきた~ハイジとペータ、そしてヤギ飼いのゆきちゃん~

ヤギがやってきた~ハイジとペータ、そしてヤギ飼いのゆきちゃん~

column 28

恵良 五月

November 09, 2017

恵良農園でお手伝いをしてくれている「ゆきちゃん」の夢は、ヤギのミルクでチーズを作ること。そして、そのチーズを使った料理をお出しする、レストランを開くこと。

ハイジ、ペータ、そしてゆきちゃん

ゆきちゃんのヤギプロジェクトは、2017年5月に始まりました。プロジェクトメンバーは、ゆきちゃん、一平農園の一平君、そしてうちのダンナさん。週に一度、夕方に集まって、ヤギを迎える準備を進めていきました。
ズッキーニ畑のすぐ上の使われていない土地を借りて、まずは草刈り。次に、ヤギの囲いとして獣害対策用の柵、ワイヤーメッシュを張りました。それから、小屋作りです。材料は、三瀬村にあるボート乗り場の古い桟橋の廃材をいただきました。

ヤギ小屋作りの様子

工具だって使いこなします

ヤギのためなら力仕事もなんのその

ヤギは高い所に登るのが大好きなので、小屋の半分を高床にし、丸太の踏み台を置いて登れるようにしました。冬には風よけのために壁板をはる予定ですが、夏は風通し良くしてあります。

2匹の子ヤギがやってきたのは7月31日。名前は≪ハイジ≫と≪ペータ(女の子)≫。そうです。あの『アルプスの少女ハイジ』では、≪ユキちゃん≫が子ヤギですが、こちらは、ゆきちゃんがヤギ飼いなのです。
やってきた2匹の子ヤギたちは、始め、見知らぬ土地と見知らぬ人間たちに戸惑い、近づいてきてはくれませんでした。せっかく作った小屋にも寄りつきません。

ヤギがやってきた日の記念撮影。遠くからこっちを見ています

その日から、毎日朝と夕、ゆきちゃんは、ヤギたちに水をやり、餌をやり、「ハイジー! ペーター!」と声をかけ、根気強くお世話をして、少しずつ彼らの信頼を獲得していきました。それでも、ヤギたちはなかなか小屋には入ってくれません。いつ見ても柵の入口付近に2匹で寄り添って座っているのです。餌を小屋に置いても食べてくれないので、入り口付近に置いていたのですが、なんとかしてヤギたちに小屋に入ってもらいたいと、ゆきちゃんは、餌を置く場所をだんだん小屋に近づけていってみたり、小屋の中に干した麦わらをひいてみたり、試行錯誤を繰り返しました。
その甲斐あってか、今では小屋を「我が家」と認識したらしく、寝るとき以外にも、日差しが強いときや雨降りのときなど、存分に利用してくれていますよ。小屋から顔をのぞかせてこちらを見ていることもしばしば。

小屋から顔を出すハイジ

ゆきちゃんがお世話に来られないときは、うちの娘が水やりと餌やりを代わりにしています。娘もヤギたちのかわいさに、「ヤギ、かわい~」と夢中です。夏休みの自由研究は、もちろん「ヤギの観察」。ヤギのお世話に行くと、なかなか戻ってきません。

もうすっかり仲良し

ゆきちゃんがヤギ飼いを志すきっかけとなったのは、ローマからミラノまでドライブしながら農家民宿巡りをしたこと。この旅で、ゆきちゃんはヤギ飼いの暮らしに憧れを抱くようになります。その後、ゆきちゃんは、3度イタリアへ。2度目は農家民宿にホームステイして料理三昧の3カ月間を過ごし、3度目はサルシッチャ(ソーセージ)作りの勉強で1カ月間滞在。そしてついに、4度目の訪問で、北イタリアの小さな村でヤギを飼いながらチーズを作るラッフィという女性に出会い、ヤギ飼いの暮らしを実際に経験することができました。

ゆきちゃんは、今、自分のレストランを開くという夢に向かって、少しずつ歩みを進めています。月に2回、三瀬村の「三瀬CUBE」で、手作りチーズと地元の野菜を主役にしたランチ会(今のところ、一日5組限定)を開いたり、満月の夜には、古湯温泉キッチン10の満月酒場でチーズとお料理を出しています。

先日、私も三瀬CUBEでのランチ会に行ってきました。
お料理をするゆきちゃんは、いつものフレンドリーなゆきちゃんとは少し違って、なんだか凛とした感じ。こだわりを持った職人さんみたいな。

料理をするゆきちゃん

チーズと野菜が主役の美しい一皿。恵良農園のピーマン、ナス、トマト、ズッキーニ、そうめんうり使用!

パンもサルシッチャ(ソーセージ)もすべて手作りのランチは、本当に、手間暇かけて、丁寧に、心を尽くして作られたもの。まだプロの料理人ではないゆきちゃんのお料理だからと、私はもっと家庭的な味を予想していたのですが、なんのなんの、かなり本格的です。素材の持ち味をきちんと計算して料理してくれている。

ゆきちゃんは今後、フランスにチーズの勉強をしに行ったり、ハイジとペータに子ヤギを産んでもらってミルクをとれるようにしたり、ランチ会の受け入れ人数や開催日数を増やしていったり、ぐんぐん進化していく予定。そんな進化したゆきちゃんにも、恵良農園の野菜を使ってもらえるように、私たちもこうしちゃいられません。進化しなきゃ!

ゆきちゃんのチーズ料理が食べられるのは…
・古湯温泉キッチン10 満月酒場 毎月1回満月の夜
TEL 0952-58-2075
・三瀬CUBE 毎月2回 土曜日のランチ

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