「トレジャーハンティング」という焼き物の買い方 その2

「トレジャーハンティング」という焼き物の買い方 その2

column 30

岡垣 貴憲

December 08, 2017

前回のコラムでご紹介した焼き物のトレジャーハンティング。有田の幸楽窯とは別に県内でもう1カ所できる場所が、茶所として有名な嬉野にある。トレジャーハンティングの直後、楽しさからくる興奮でそちらにも行きたいと思っていたが、日常に流され、行くきっかけを失いつつあった。
そんな頃、あんこ屋として東京でイベント出演のお仕事をいただき、そこで出会った嬉野茶に情熱を注ぐ若者、松田二郎氏と出会う。

東京でのイベントでご一緒させていただいた若き嬉野茶生産者の松田二郎氏(左)

彼が「嬉野には『嬉野茶』『温泉』『肥前吉田焼』という3つ伝統文化がある」と目をキラキラさせて語っている中で、「肥前吉田焼」のトレジャーハンティングの話が出た。忘れかけていた「行きたい」気持ちに再び火が付き、佐賀に戻ってすぐに訪問した。

残暑厳しい夏の合間の、雨が滴るお昼前に嬉野に到着。

肥前吉田焼窯元会館の駐車場に車を停め、2、3分ほど民家の裏の路地を歩く。迷路のような通りを進み、会場に着く前から冒険をしているような感覚で、軽く心が躍っていた。

駐車場から会場に向う民家の路地裏

道路の分岐には矢印付きの案内板が立っており、これを目印に迷路のような小道を進んでいく

たどってきた矢印の先には、鬱蒼とした木々に囲まれた木造の古い建物があり、さらに奥へと進んでいくと、トレジャーハンティングができる会場に到着する。

会場の入り口付近。薄暗い建物の中に焼き物がたくさん見える。ハンティングの場所はさらにこの先

イベントの受付。写真右奥がハンティング会場。海外からのお客様用に英文の説明用ボードが設置されている

ハンティングの会場は土壁の蔵の一室。詰め放題用のカゴや、軍手の他に、懐中電灯も準備されていた。歩き回るのに苦労しない広さだが、壁に備え付けられた棚が奥行きも高さもそこそこある。奥の方は懐中電灯で照らさないと見えず、宝さがしをしている感じが新鮮だった。数の揃った大量生産品から、作家さんが作ったような1点ものなど、いろんな焼き物に目移りする。

白い袋と茶色いカゴ。前者に詰め放題で5,000円、後者は10,000円

準備された軍手

準備された懐中電灯で一気に探検気分!

1点ものの大皿から、柄違いの茶碗、大量生産された湯飲みなど、いろんな焼き物を品揃え

当イベントを運営している有限会社ヤマダイは、明治元年創業の歴史ある焼き物の商社。社長の大渡氏は有田や波佐見の焼き物を日本各地に行商に回る他にも、有田陶器市への出店などで焼き物を販売してきた。ただし、このトレジャーハンティングを始めてから、陶器市には出店せず、逆にいろんな方々にご来店いただき、この新しい売り方を楽しんでもらっているとのこと。

社長の大渡氏。欲しい焼き物が見つからない時に相談すると、親身になって一緒に探してくれる優しい社長

今回嬉野についてきてくれた池田純さんは、終始探検モード。懐中電灯で棚の奥を照らすだけでなく、気になった焼き物にライトを当てて、ちょっとした鑑定士気分を味わっているようにも見えた。いろんな掘り出し物を探し当てては、「岡垣さん!どうですかこれ?」「この器、高そうですよ!」とやや興奮気味に、いろんな焼き物を探してくれた。

懐中電灯で奥を照らしながら身を乗り出して探す池田純さん

器を照らして「これどうですか?」

焼き物を詰める袋はやや小さめだが、袋の口から焼き物がはみ出していても大丈夫。片手で2本の持ち手が持てたらOKとのこと。今回は5,000円の袋をチョイスし、22点の焼き物を収穫。

2本の袋の持ち手を片手で持てたら、袋の口からはみ出してもOK

湯飲みや酒器など、今回ハンティングしたお宝

ハンティングのお手伝いをしていただいた社長夫妻のツーショット

この後、嬉野温泉湯豆腐を食べて、ほっこりして佐賀へ帰った。

嬉野温泉のお湯を使った「嬉野温泉湯豆腐」。温泉を使って豆腐を炊くと豆腐がとろけて湯汁が白濁。トロッとしたやさしい食感が美味。

※トレジャーハンティングへの参加は前日17時までに要予約
(https://owatari.com/yoshidatrehun/)

DATA
有限会社ヤマダイ
住所 佐賀県嬉野市嬉野町吉田丁4051
TEL 0954-43-9214

https://owatari.com

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