時間を注ぐ、思いを込める 〜FINDER〜

時間を注ぐ、思いを込める 〜FINDER〜

column 32

村岡 昌一

January 24, 2018

JR佐賀駅と佐賀市の中心商店街を結ぶ唐人町の通り沿いに、カフェ「FINDER」がある。店主の平片康一朗さんは、佐賀市出身のカメラマン。 一時期佐賀を離れたが、 2010年2月にこのカフェをオープンした。

カウンターでコーヒーを淹れる平片さん

「オープンした頃のこの通りは寂しかったですね。昔の賑わいを知っていますから。でも、今もあまり変わっていないかな」。平片さんは、微笑みを交えながら静かに語る。
時間をかけて1枚の写真を撮るように、平片さんは頃合いを見計らい、お湯を少しずつ注ぎながら1杯のコーヒーを丁寧に抽出していく。その姿は、作品を仕上げていく職人のようでもある。

カウンターに置かれたフィルムカメラ

カウンターに座ると、風格を纏ったフィルムカメラが目に入る。このカフェは、ギャラリーとフィルムの現像や焼き付けのための暗室を備え、フィルムカメラを使っている人も訪れる。コーヒーを飲みながら談笑するお客さんは、ネガフィルムに印を付けて、写真の焼き増しを依頼していた。

通りからは自然光がいっぱい差し込む

スマートフォンなどで、きれいな写真をたくさん撮れるようになったが、フィルムカメラで撮る意味とは何なのだろう。平片さんは「難しく考えずに、純粋に楽しめばいいんじゃないですか。ただ、フィルムの方が1枚1枚を時間をかけて大切に撮るというのはありますね」と言う。確かにフィルムだと、シャッターを押す重みが全く違う。

販売中の整備済みフィルムカメラたち。ファインダーから覗くクリアな視界に驚く。

「フィルム1本を撮ると、何枚か気に入るものはあるけれど、失敗の方が多いはず。ただ、それも含めて写真なんです」。平片さんの言葉に、上手く撮れなかったが、大切な写真があることを思い出した。

ピンボケだけど、どれも1枚きりの大切な写真

店内には、ボブ・ディランの音楽とコーヒーの香りが静かに漂う。注いだ時間と込めた思いが、価値を高め、大切なものに育むということなのだろうか。そんなことを考えながら、「FINDER」から、季節のイルミネーションが彩る街の景色を眺めた。

FINDERから見る唐人町の景色

DATA

FINDER
住所 佐賀県佐賀市唐人1丁目5-40
電話 0952-22-6911
営業時間 12:00 〜 21:00 日・祝日 close 18:30
店休日 水曜日(撮影業務等にて店舗closeする場合あり)

http://find-earth.petit.cc/

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