まちを見つめ、そこにある宝物を発見する。そしてそれを伝えること

まちを見つめ、そこにある宝物を発見する。そしてそれを伝えること

column 37

恵良 五月

March 02, 2018

2018年2月4日(日)『さがごこちの伝え方~写真、文章、まちを学ぶ~』が、佐賀市富士町の古湯温泉で開催されました。イベントのテーマは『暮らしている人に案内してもらうと、まちはもっと楽しくなる』。古湯在住のローカルコラムニスト門脇恵さんの案内で、古湯のまちを歩き、食べ、取材しながら、見つけ出した宝物を写真や文章で伝えようという企画です。しかも、その技術をプロの先生から直に学べるという贅沢さ。
当日は、雪の降るとても寒い日でした。そしてこの雪が、古湯のまちを素敵に演出してくれました。

門脇さんのガイドで雪の古湯を歩く

まずは、古湯公民館にて、写真家MOTOKOさんの≪ローカルフォト≫講座。≪ローカルフォト≫というのは、『写真をきっかけにまちを元気にしていこう』というムーブメントです。MOTOKOさんは言います。
「ガイドブックや観光省庁のホームページに載っているような観光名所や名産品の写真ではなく、≪人≫をちゃんと撮っていこう
撮りたいのは、『そこに行ってみたい、その人に会ってみたい』と思ってもらえるような≪背景のある人物写真≫。それから≪集合写真≫。
特に過疎地域では、ひとけのない寂しい風景ではなく、集まっている人々を撮りたい。そういう写真から、元気をもらえるから」

MOTOKOさんから写真を学ぶ

写真の撮り方については、「さがごこち」の編集者であり、イベントの企画運営をしてくれる堀越一孝さんも丁寧に教えてくれました。

「カメラのかっこいい構え方は、大切です」と堀越さん

そのあと、古湯温泉キッチン10(キッチンテン)でコロッケランチをいただきながら、古湯自治会長の山口澄雄さんから、古湯温泉の歴史と現在について教えていただきました。山口さんは、斎藤茂吉、笹沢左保、郭沫若、北方謙三など、多くの文豪たちが愛した古湯温泉を世代広く多くの人に知ってもらうため、『笹沢佐保記念館』で小中学生を対象とした文章講座を開くことを企画しているとのこと。「ここから未来の文豪が羽ばたいてくれるように」と目を輝かせてお話ししてくれました。山口さん、古湯愛に溢れています。

熱意をもって語る山口さんと熱意をもって聴く参加者さん

メインディッシュの他にお総菜の小皿8品とお味噌汁のついたランチをいただいたあとは、キッチン10のオーナーシェフであり、旅館千曲荘の大女将さんである岸川美紀子さんの取材です。キッチン10は、温泉に来た旅行者や地元の人が気軽に利用できる定食屋さんであるのみならず、移住者たちの集合場所でもあります。だから、女将さんは私たち移住者のお母さん的な存在です。

案内役なのに「私、女将さんと撮りた~い」と門脇さん

つづいて、古湯地区で家具や木のクラフトを制作している地球木工の前田優介さんを取材。ライターの井上英樹さんによるインタビューのお手本を見てから、参加者全員が一問ずつ質問をしました。前田さんは、真摯に、ひとつひとつ心を込めて答えてくれました。

前田さんを取材中

みなさん、女将さんのパワーには圧倒され、前田さんの純朴さに心洗われている様子でした。

最後に、古湯公民館へ戻り、記事の執筆会。自分が撮った写真から、1点を選んで記事に添えます。各自400字程度の記事を書き始める前に、井上さんに記事執筆のコツを伝授いただきました。
「伝えるための文章を書くには、どんな人に読んでもらいたいかを想定して書く。まず、ざっと設計図を書いてから、大きな話、小さな話、匂いや大きさ、重さ、空気感、服の色などの細部を思い出して書いていく」

《伝えるための文章》について井上さんから学ぶ

執筆終了後、みんなの前で参加者一人一人が発表し、MOTOKOさんと井上さんから講評をいただきました。みなさんの記事に感心したり、先生のご指摘にうなったり、とてもエキサイティングな体験でした。

私が見つけた宝物、それは、参加者のみなさんと古湯のまちを歩き、食し、写真の撮り方や取材の仕方を学んだ時間、執筆会で一緒に文章と向き合った時間です。そして今、私は、このイベントに興味を持ちながら参加できなかった方々や、写真や文章に興味があったけれどイベントのことを知らず参加できなかった方々に、なんとかそれを伝えようと、このコラムを書いています。

DATA
古湯温泉キッチン10 
住所:佐賀県佐賀市富士町大字古湯855
電話:0952-58-2075

地球木工
佐賀県佐賀市富士町古湯633-1
電話:080-5796-5819

旅館 千曲荘
住所:佐賀市富士町古湯878
電話:0952-58-2047

ページ上部へ