「私を救ってくれた言葉を、次のママたちにも伝えたい」という思いから始まった多胎ファミリーへの支援活動

「私を救ってくれた言葉を、次のママたちにも伝えたい」という思いから始まった多胎ファミリーへの支援活動

column 60

村岡 昌一

December 18, 2018

2018年11月、JR佐賀駅のほど近くにある佐賀市保健福祉会館『ほほえみ館』に出かけた。天窓から小春日和の温かな陽射しが降り注ぐ中、かわいい“天使たち”が賑やかな声を会場に響かせている。

かわいい天使、やんちゃな天使で大賑わいの会場

この日、佐賀県で初めての『多胎ファミリー応援フェスタ』が開催されていた。双子や三つ子など多胎児を持つ家族や支援者が集まり、交流を深める。

 

中村由美子さん。ずーっと笑顔。

この行事を主催する『さが多胎ネット準備会』の代表で、双子の母親でもある中村由美子さんに多胎ファミリーの支援活動を始めたきっかけを伺った。それは、中村さんの双子が8ヶ月だった頃に遡る。

 

「双子の子育ては、眠れないしそれはもう本当に大変で、あの頃はボロボロに疲れ果てていて…。そんな時に、子どもたちを連れてスーパーに買い物に出かけたら、双子の母親だという“先輩ママさん”に声をかけてもらいました。『少しずつだけど、必ず楽になるよ』って。この言葉に私は救われたんです」。

先が見えない暗闇に沈んでいた中村さんにとって、一筋の光のような言葉だった。

 

中村さんは、その時の女性にまた会いたくてスーパーに何度も出かけたが、二度と会えなかったとのこと。

「あのときの1回だけの出会いで私は救われました。受けたご恩を送りたい。あの時のように、双子を持つお母さんを励ましてあげたい。それが、活動を始めたきっかけです」。

 

年中児の双子の母親は「祖父や祖母などの手助けがないと絶対に無理でした」と双子が小さかった頃を思い返す。

中村さんは続けて言う。

「子育てって褒められることがないんです。でも、絵本の読み聞かせを子育てサークルでやったら『上手!』って褒められて。それも熱心に取り組むようになったきっかけ(笑)」。

中村さんは辛い経験も爽やかに明るく話す。カラッとした初夏の青空を、中村さんの横顔に感じる。

 

親子おそろいのコーデイネートで参加した家族もいた。「かわいい!」という声が上がる。

中村さんは、双子•三つ子の子育てサークルで多胎ファミリーに元気を送り続け、他県のグループと交流したことをきっかけに、「佐賀の多胎児支援をもっといいものにしなきゃ」と奮起する。行政、医療、福祉などの関係団体がつながり、切れ目のない支援をする『さが多胎ネット』の2019年発足に向けて忙しい日々を送っている。

 

右手、左手でひとりずつ抱っこするのは「双子あるある」だ。

「頑張ってるね」、「かわいいね」という一言でも、子育て中の親の心を軽くすると度々耳にする。中村さんもそんな一言に救われた。

 

中村さんを救った言葉の力。

 

その言葉を、「恩送り」のきっかけに変えた中村さんの感謝する気持ち。

何とも素敵な話を聞くことができた。

 

イベントの最後に記念撮影。この日70組の多胎ファミリーが来場した。

最後に中村さんはこう語った。「双子のお母さんで本当によかった。双子の親だからこそ、こんなにたくさんのいい出会いがあったから」。

その笑顔の向こうには、やっぱりカラッとした青空が見えた。  

DATA
さが多胎ネット準備会の情報はこちらからご覧ください。

https://ameblo.jp/greenpeas2004/

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